25│2020年06月14日 聖霊降臨3 神の民の誕生

週    句

あなたがたに耳を傾ける者は、わたしに耳を傾け、あなたがたを拒む者は、わたしを拒むのである。
ルカによる福音書10:16
説  教  「神の民の誕生」

申命6:17~25、ローマ10:5~17、ヨハ3:1~15、詩篇29:1~11。

「イエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義です。そこには何の差別もありません」(ローマ3:22)とパウロはすべての人々に対して神の義が与えられると説きました。この罪深い人間の現実の中に神が一方的に値なしに恵みを注がれ、信じる者を義とされた。私たちの信じるところの原点がここにあります。
 パウロはその宣教活動の中で、時に大きな行き詰まりを覚えたことを想像します。すべてのものに開かれた良き知らせ、福音を宣べ伝える働きに召されていきましたが、「すべての人が福音に従ったのではありません」(10:16)という経験を実際には繰り返していったことを思います。これはいつの時代の宣教の働きにも当てはまることでしょうし、今日の教会もこの時代にあって様々な難しい状況の中にあり続けています。狭義の「伝道」という事柄だけにとどまらず、この痛みや矛盾に満ちた時代の中で、時に望みを失いかねない現実に直面するものであります。
 パウロはこのような難しさの中で、「キリストの言葉を聞く」ことに集中していきます。実に信仰は聞くことから始まると。それは旧約の時代においても、申命記において「主が命じられた戒めと定めと掟をよく守り」と繰り返される言葉を人々が心に刻み続けてきた歴史に通じていきます。神の言葉、キリストの言葉に繰り返し聞き、何度も立ち帰る中で、私たちは神の救いの恵みの中に生かされていることを再確認し、そこから新しく歩み出す者とされていきます。そして、「宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう」とまさに語られるように、一人一人が福音の中に生かされている者として、世にキリストを証しする多様な働きへと召されていきます。神とキリストの言葉に聞き、日々招かれ召し出される恵みに与ってまいりましょう。
「礼拝と音楽」より